「緑育」運動
 

「緑育」の定義
心の荒廃が叫ばれて久しくなりますが、約半世紀前パラダイムシフトとも言うべき、山離れ、米離れ、核家族化が進行し現在の緑の少年団とその親の2世代がスッポリと該当しています。さらに最近は地球温暖化の影響でしょうか古代から「常世の国」とうたわれたほど自然災害が少なく稔り多い本県でも異常低気圧により林野海岸だけでも一夜にして数十億円の被害が発生するなど一昔前には考えられない事例が当たり前のようにおこっています。
このような背景のもと県内の児童生徒も例外なく不安定な情緒に悩まされていますが、首都圏の県南地区緑化推進協議会の席で委員の校長先生のお話しが「緑育」の提唱の発端となりました。校長先生が新しい学校に赴任して児童の様子を観察すると何か分からないが生徒間で「ギスギス」した感じがあることに気づきました。そこで先任地の緑の少年団活動を思い出し学校敷地のブッシュ状になった雑木林に注目し、父兄に呼びかけ歩道を作り、刈り払いを行い低学年にも入れるようにすると、今まで保健室の常連の子供が楽しく林で遊んでいるのを見かけ、調べると全体として「保健室」の利用回数が激減している事実が判明したそうです。そこで県に子供たちを「緑と一緒に育つ育てる」緑育事業として「キッズの森」をプレゼントし県に「モデル事業」をつくっていただきました。ネーミングは知育・徳育・体育に続く食育を倣ったものです。

 
子どもの森づくり推進事業
事業の内容は森林と日本人の共生の歴史を教えること、児童たちが考え自分たちでつくるミニ森林づくりが主なものです。世界に例をみない同一民族と同一森林との長い歴史を「森林雑話」つまり「森の語り部」として午前中の2時限を講話、午後の2時限を地元の大人を交えて森づくりをするわけですが、子供たちのセンス・オブ・ワンダーを引き出す切っ掛けになれば成功と思っております。また同時に第56回全国植樹祭で活躍した当機構の「緑の大使」が記念苗木の管理等を「緑のメッセージ」として伝える儀式も併せておこなっています。この事業のほかにも文科省の「命の大切さを学ばせる体験学習」として学校林を舞台に2年間の事業があり、これに「ローソンの森」事業を併せた結果、素晴らしい実績が報告されています。これは地域と父兄と先生と児童それに加えて森林管理署、生物の会、野鳥の会等のサポーターが2年間という長い期間を「緑育」した成果であり、今後も各種事業の連携で子供達の豊かな感性と安定した情緒の復活に貢献したいと考えています。
 
子どもの森を利用した「緑育」のイメージ
 
図:子供(キッズ)の森を利用した「緑育」のイメージ
 
 
緑育の実践について【PDF形式】

 

 
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